2020年2月6日木曜日

換気ダクト内の結露

こんにちは。はかせです。

冬将軍がついに本気を出したのか、北海道を寒波と大雪が襲っています。不運にもというか、このちょうど冷え込んだタイミングだからともいえますが、寿命を迎えてしまったアルデ換気(オスカー)の本体を交換してきました。

ここで大きな問題だったのは、換気ダクト内の結露です。

現在、北海道でアルデ換気を設置するときには、本体やダクトは原則、断熱区域内に収めることになっています。ところが、オスカーが販売・設置されていた当時は、断熱区域外の小屋裏空間などに本体とダクトが設置されているお宅が少なくありません。

小屋裏のような空間には外気が入ったり出たりしているので、屋根があるだけでほとんど屋外と同じような環境です。しかも、夏場には熱気がこもるので、温度については屋外以上に過酷な環境となります。一方、冬場は冷気が入り込むので、屋外が氷点下まで低下する北海道では、小屋裏も冷凍庫のように寒くなることもあります。そういうときに危険なのが、結露で生じた水が冷やされて凍り、今度は温められて解けて水になりを繰り返すことです。

例えば、札幌では無落雪屋根としてスノーダクトが設置されているお宅が多いですが、よくトラブルの原因となるのが、スノーダクト内の水がこの凍結と融解を繰り返すことです。

水は小さな隙間にでも潜り込み、凍ると体積が増すので隙間を押し広げます。これを繰り返すことでスノーダクトから「すが漏り」が起こるようになります。スノーダクトには凍結を防止するためにヒーターが取り付けられていることが多いですが、電気代がかなりかかるので、ヒーターを切ってしまって「すが漏り」を起こしたお宅をよく見かけます。

同じように、換気ダクトも小屋裏に設置してしまうと、この水の凍結・融解に悩まされる可能性が高くなります。ダクトを断熱材のグラスウールで包んだ「断熱ダクト」を使っていても、断熱が足りなくて内部で結露を起こしてしまうことがあります。壁の断熱材が10cm以上あるのに対して、断熱ダクトの断熱材はその半分もありませんので、仕方ありません。本州以南ならまだしも、北海道で小屋裏などに設置しないようにするのは当然といえます。

ダクト内の結露が問題なのは、結露水が溜まるとダクトが狭くなって圧力損失が大きくなり、ちゃんと排気されなくなるからです。しかも、ちゃんと排気されなくなると結露しやすくなり、さらに水が溜まるという悪循環となります。その結果、室内の湿度も上がって窓まわりに結露が生じたりします。さらに、冷え込みが厳しい場合にはダクト内の結露水が凍って、ダクトが破けてしまうこともあります。すると、今度は気温が上がったときに凍っていた結露水が解けてダクトから漏れ出して、天井の断熱材を濡らしたり、同じことが何度も繰り返されているうちに、「すが漏り」のように天井が濡れてしまう場合もあります。

ダクト内部に溜まっていた氷水

小屋裏のダクトの断熱不足は、ダクトを上から断熱材で覆ってやることで改善できます。新築時などに天井に吹き込んだ断熱材も20年以上経つと数センチは沈んで性能が低下します。そこで、できれば断熱材を吹き足して、ダクトの断熱不足を解消することとあわせて冬場の寒さ、夏場の暑さ対策をオススメします。

設置から年数が経過して、モーターの性能が落ちたり、汚れが溜まって排気が弱くなってくると、それまで問題がなかった場合でも、小屋裏などのダクト内に結露が生じるようになる可能性があります。換気本体とダクトが小屋裏などに設置されている場合には、本体やモーターの交換、清掃だけでなく、天井への断熱材の吹き込みも一緒に検討されてみてはいかがでしょうか。

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