2019年12月27日金曜日

「湯遊ワンダーランド」

こんにちは。はかせです。

サウナブームと噂される今年、2019年、女性の間でもサウナが注目されているそうです。そんな中で、女性が主人公で、サウナを扱っている漫画が「湯遊ワンダーランド」です。ここから1話試し読みできます。


独特の絵柄と世界観のため、少年漫画しか読まないような人には受け入れづらいかもしれませんが、サウナ自体がもともとサブカルチャーとしての要素が強かったようですので、それほど違和感はありません。この何ともいえない不条理やシュールさは、風呂やサウナでジワジワと上がっていく体温のようにゆっくりと効いて来る印象を受けます。

ただ、サウナを扱っているといっても、サウナを紹介するわけでも、サウナ施設を紹介しているわけでもありません。作者の女性が主人公となって「サウナがある日常」を感じたままに漫画を通して伝えている内容です。ですが、はかせにとっては、思いがけず重要な示唆を与えてくれるものでした。というのは、水風呂に目覚めるきっかけが紹介されていたからです。

主人公は風呂は好きでもサウナは特別好きではなく、弟に勧められたから入ってみただけ。もちろん水風呂にも入らない。水風呂に入ろう試みても結局入れず、一時は水風呂は要らないと思ったほど。ところが、ある日たまたまサウナから長時間出られなくなってしまい、サウナから解放されて飛び込んだ水風呂がオアシスだった、というのが水風呂に目覚めるきっかけだと紹介されていました。

当たり前といえば当たり前なのですが、風呂が「カラスの行水」では身体が十分に温まらないのと同じく、サウナも十分に入らないと身体は温まらないので、水風呂に入るにはちゃんと身体を温める必要があるようです。サウナではなく風呂で温まってから水風呂に入る「湯船派」もいるそうですから、大事なのはやっぱりしっかりと身体を温めることだと分かりました。

はかせはこれまでスチームバス(スチームサウナ )も含めて「約40℃のお湯に約10分間入浴」を続けてきて、身体が温まる感覚がつかめるようになってきました。先日はついにサウナ(ドライサウナ)にも入ってみました。今度、銭湯や温泉へ行ったときにサウナと水風呂を見つけたら、ぜひ水風呂に入ってみたいと思います。

では、よいお年を。

2019年12月20日金曜日

サンホールはぴねす

こんにちは。はかせです。

先月、11月末に旭川へ行く機会があったので、約10年ぶりにサウナに入ってみました。スチームサウナではなく、日本で一般的なドライサウナです。

朝から里山の100 mもないような小さな丘を歩いて登り、雪が積もった斜面をスノーボードと雪板で滑って遊び、昼ごはんを食べた後、近くの銭湯を紹介してもらいました。旭川の隣町、鷹栖町にある「サンホールはぴねす」という施設です。

当日は天気が良くて朝はとても冷え込んだものの、日差しがあって気温が上がって汗をかいたせいで身体がずいぶん冷えてしまっていました。サンホールはぴねすは温泉ではありませんが、入浴料が400円ととても良心的な金額です。最近のスーパー銭湯は1,000円前後も当たり前だったりしますが、ここはこの金額でシャンプーとボディソープまで備え付けられています。

着替えて浴室へ入ると、身体が冷えていたので、まずは身体の汗を流してから、自宅と同じように10分間を目安に湯船に浸かりました。体温計を持ってきていないので正確には分かりませんが、おそらく実際に体温も下がっていたのでしょう。汗が出てくるまでずいぶん時間がかかりました。

とりあえず、10分経って湯船から上がって身体と頭を洗い、もう一度湯船に浸かりました。すると、浴室の入口の横にサウナルームがあることに気づきました。こんな施設にもちゃんとサウナがあるんですね。日本でのサウナの普及率の高さに驚かされます。

そんなわけで、湯船で温まるのはほどほどに、湯船から上がって身体を拭いて、覚悟を決めてサウナルームのドアを開けました。その途端、中からは熱気が漏れてきます。苦手な暑さです。

サウナルームは1坪くらいで広くありません。先客が1人、上段の椅子に腰掛けていました。はかせも上段に座り、時計を探すと、正面の壁に12分時計がかけてありました。「サ道」で出てきたものです。見慣れないものなので針の動きに違和感があります。

サウナの入浴時間は7分くらいがいいとテレビか何かで聞いた覚えがあったので、とりあえず、7分を目安に入ってみました。すると、意外とドライサウナでも苦しくありません。温度計を見ると90℃しかないようで、もしかしたらそれほど温度が高くないからでしょうか。それでもさすがにしばらくすると汗が出てきます。風呂とはまったくちがいます。

7分経ったのでサウナから出て水風呂を探しましたが、残念ながらありませんでした。代わりにサウナの横にはシャワーがあります。おそらくシャワーで冷たい水をかけてクールダウンするのでしょう。ただ、このときはシャワーを浴びずに椅子に腰掛けていわゆる外気浴だけで済ませてしまいました。

もう一度サウナに入って8分くらい温まってみると、また同じように汗が吹き出してきます。でも、心配していたほど辛くありません。サウナには2回しか入りませんでしたが、風呂の10分間入浴やスチームバス(スチームサウナ )で身体が暑さに慣れたのかもしれません。

サンホールはぴねすでは水風呂がなかったので、残念ながら水風呂に入って「ととのう」感覚を体験することはできませんでした。それと同時に、水風呂に入らない理由があって良かったという安心感もありました。次もどこかでサウナに入ってみようと思いますが、今度こそ水風呂に入ってみなくては。

2019年12月13日金曜日

COP25と省エネとサウナ

こんにちは。はかせです。

今月2日からスペインのマドリードでCOP25(国連気候変動枠組条約第25回締約国会議)が開催されています。昨日、12日には、日本が原子力発電所の再稼働に固執したまま石炭火力発電を続ける姿勢に対して、国際環境NGOから「化石賞」を授与されました

COP25にはスウェーデンの高校生で環境活動家のグレタ・トゥンベリさんも参加しました。今年、日本を含め世界中の若者を巻き込んで気候変動問題の解決を訴えるデモが各地で繰り広げられたことは記憶に新しいことだと思います。

スチームバス(スチームサウナ)のメーカーであるTylo(現TyloHelo)社もスウェーデンの企業です。はかせが初めてスチームバスを体験したときに、体験ツアーのホストで秋田の建築家である鈴木さんから、スウェーデンの省エネとサウナについて話を聞きました。

1973年に第4次中東戦争が始まった影響で、原油の減産、石油価格の高騰からオイルショックが世界を襲いました。はかせの生まれる前のことですが、映像などで当時、日本では主婦がトイレットペーパーを買い求めてスーパーに押し寄せている様子が印象に残っています。

スウェーデンも日本と同じく原油の輸入国だったため、オイルショックの影響は大きかったそうです。その際、鈴木さんは、スウェーデン政府は省エネを図るため、風呂の入浴からサウナとシャワーへと切り替えを進めたと言います。

サウナといえばお隣のフィンランドの方が本場のような気がします。はかせが自分で詳しく調べたわけではないので確かなことは分かりませんが、スウェーデンも今ほどサウナが定着していなかったのかもしれません。

日本は「化石賞」を授与されてしまいましたが、日本人ひとりひとりの取り組みも大事です。住宅の高断熱・高気密化による省エネはもちろん大切ですが、日本の「風呂文化」を見直すことも必要かもしれませんね。

2019年12月6日金曜日

いい風呂の日

こんにちは。はかせです。

先月のことになりますが、11月26日は「1126=いいふろ」と読めるので、「いい風呂の日」なのだそうです。それにちなんで、NHKあさイチでお風呂の特集をしていましたが、その中で先日、ここでも書いた「入浴法」が紹介されていました。


紹介された入浴法の中には、「40℃の湯に合計10〜15分間」と「42℃の湯に10分間」という似ているようで実は結構ちがうものがありました。そのうちの後者の「42℃」が「ヒートショックプロテイン(HSP)入浴法」のようです。オリンピック選手がトレーナーの指導を受けながら実施しているとのことですが、入浴中の体温の上昇を把握しておくことで、この入浴法を活用できるように思います。

「HSP入浴法」について、炭酸ガスが出る入浴剤を利用すれば、お湯の温度を40℃に下げても15分間入浴することで同じ効果が得られると紹介されていました。熱いお湯の負担が心配な人には良さそうですね。

ただし、「HSP入浴法」には見落としていた点があったようです。実は、毎日、あるいは1日おきにHSP入浴法を行ってしまうと、身体が「ヒートショック」に慣れてしまい、ヒートショックプロテインが作られなくなってしまうそうです。逆に、一度作られたヒートショックプロテインは一定期間維持されるらしく、4日に1度HSP入浴法を実施するのが良いそうです。毎日お風呂に入ったとしても、HSP入浴は4日に1度に控えないとダメみたいですね。うっかりしてました。

ちなみに、はかせはHSP入浴法を継続しています。といっても、本来は入浴後の10〜20分間の保温が必要ですが、保温はサボってサウナで言うところの外気浴で済ませてしまっています。それでも、以前の「カラスの行水」と比べてかなり体調がいいです。

とはいえ、しつこいようですが、それでもやっぱりスチームバス(スチームサウナ)の方が入浴中の気持ちがいいです。今は賃貸のマンション住まいなので我慢するしかありませんが、中古の分譲マンションのユニットバスにスチームバスを取り付けた母の浴室は快適なサウナルームです。スチームバスを取り付けてから一度も湯船にお湯を張っていないというから間違いありません。

2019年11月29日金曜日

「サ道」

こんにちは。はかせです。

10年近く前にスチームバス(スチームサウナ)に初めて入ってから、サウナに関連した書籍の類を見つけては目を通していました。その中でも、漫画「サ道」は気軽なサウナ入門と言える内容で、「サウナー」と呼ばれるサウナ愛好家たちがどうやってサウナを楽しんでいるかをうかがい知ることができました。


そして、巷でサウナブームと囁かれる今年、「サ道」が実写ドラマ化されました。以前、友人に紹介されて見たドラマ「孤独のグルメ」のサウナ版のような雰囲気です。

漫画とはちがって実際のサウナが登場するので臨場感があります。登場人物が「ととのう」姿を画面で見ていると、はかせもそんな気持ちよさを味わってみたいと思うようになります。


100℃前後の熱いドライサウナや冷たい水風呂は子どもの頃の苦手なイメージが強くて、最近はスチームバス(スチームサウナ)にしか入っていませんでした。でも、ドラマ「サ道」でサウナへの興味が一気に高まりました。はかせにもサウナブームが来そうです。

2019年11月22日金曜日

「サウナのあるところ」

こんにちは。はかせです。

2019年は空前のサウナブームと言われているそうです。確かに、今年はこれまでよりテレビでサウナの特集などを見かける機会が多かった気がします。

その中で取り上げられていたのが、この映画「サウナのあるところ」でした。


予告編は、水をかけられたサウナストーンからジュワーっと蒸気が立ち上るシーンから始まります。実は、フィンランドサウナとは、こうして蒸気(ロウリュ)を楽しむサウナだったようです。

一方、日本に昔からあるサウナはほとんどがドライサウナです。サウナストーンはあっても水をかけることはできません。湿度が低くて非常に高温です。

はかせが子どもの頃、家から車で通えるところに大きな銭湯ができてサウナもありましたが、それもやっぱりドライサウナ。暑くて苦しくて、水風呂も冷たくて。初めは物珍しくて何度か入りましたが、それ以降はそのときの嫌なイメージがつきまとって、サウナには全然入らなくなりました。

あるサウナ愛好家がどこかで書いたか話したかしたことを覚えています。日本へのサウナの導入の仕方が悪かったのだと。蒸気を楽しむ本来のフィンランドサウナを広めるべきだったと。

実際、今は「サウナ女子」と呼ばれるほど女性の間でもサウナの人気が高まっているようです。それはもちろんフィンランドサウナで、湿度が高くて肌の保湿をしながら入浴できるためだそうです。

この映画の英語のタイトルは「Steam of Life」です。Steamとはスチーム、蒸気。このことからも、英語圏でもフィンランドサウナを特徴づけるのはやっぱり蒸気でした。

その意味では、スチームバス(スチームサウナ)はまさしく蒸気で温まるサウナです。サウナストーンに水をかける風情こそありませんが、蒸気発生器から高温で吹き出す蒸気はまぎれもなくロウリュです。アロマオイルだって楽しめます。

ところで、この映画はもう10年近くも前の2010年にフィンランドで公開されたものです。その年のアカデミー外国語映画賞にもノミネートされています。10年近くも前の映画が、なんと今年日本において上映されているわけですから、やっぱりサウナブームなのでしょう。

残念ながら北海道での上映はまだ予定がないようですが、札幌でも上映されることが決まったらぜひ観てみたいと思います。

英語字幕ならVimeoのオンデマンドでレンタルして観ることができるようです。



ちなみに、フィンランド語の映画の原題は「Miesten vuoro」。Google翻訳だと英語で「Men's turn」、日本語では「男の番」。英語タイトルでも邦題でも「男」は消えてしまっていますが、どちらの予告編を観ても、やっぱりさまざまな男の生き様をサウナを通して描いた映画であるのは確かなようです。なんだかサウナに入って語り合ってみたくなりますね。

2019年11月15日金曜日

お風呂は10分間

こんにちは。はかせです。

札幌は昨日から降り続く雪ですっかり冬景色ですので、温かいお風呂の話をしましょう。

昨年、2018年の秋、叔父がステージⅣの肺がんとの診断を受け、現在も薬物療法を継続しています。2018年といえば、本庶佑さんが「オプジーボ」でノーベル医学賞を受賞して、がんの免疫療法に注目が集まった年でした。

今年は免疫療法の環境も整備が進み始めましたが、叔父の場合は主治医との相談の末、まだ実績が浅い免疫療法を試すよりも、従来の薬物療法を選ぶこととなりました。ですが、このことは、免疫について考えるきっかけになりました。

以前からサウナ、スチームバスで身体を温めることは免疫を向上させ、健康にいいと漠然とは思っていましたが、残念ながら自宅の賃貸マンションには狭いユニットバスしかありません。それでも、実は入浴法を見直すだけでも、体感的にずいぶん改善できることに気づきいたので試してみました。

まずはじめに着目したのは、サウナに関連して以前からテレビや雑誌でも紹介されることが多い鄭忠和さんの「和温療法」です。独自に開発した低温乾式サウナ(60℃)に15分入浴し、出てから30分保温するという治療法です。慢性の心不全をはじめ、レディー・ガガが患っていることを表明して話題にもなった線維筋痛症の治療にも成功しているそうです。この治療法を家庭の風呂で行う入浴法が紹介されていました。

その入浴法とは、41℃の風呂に10分間入浴し、出た後10〜20分間保温する、というものです。10分間の入浴は、深部体温を1℃上昇させる(微熱をつくる)ためで、保温して微熱を保つことにより一酸化窒素(NO)とヒートショック蛋白を発現させ、血流を促し免疫力も高めるのだそうです。ヒートショックといっても、冬などに風呂から寒い脱衣室へ出たりして血圧が急上昇して心筋梗塞や脳卒中を引き起こすヒートショックではありません。


入浴法について詳しくはこの本で解説されていますが、ヒートショック蛋白からたどって、伊藤要子さんのそのままズバリ「ヒートショックプロテイン入浴法」にもたどり着きました。こちらは42℃で10分間入浴し、保温はほぼ同じで10〜15分間。体温を38℃以上に上げるのが目安です。どちらの入浴法も、体温の上昇とその保温が大切なようです。

そのためには、入浴が5分以下の「カラスの行水」ではやっぱりダメなのだそうです。でも、はかせは子どもの頃からずっとお風呂は「カラスの行水」でした。たまに温泉などへ行ったときに露天風呂ではのんびり入っていることもありましたが、自宅のお風呂や内湯での長湯は苦手です。風呂に入るのが嫌いだった子どもの頃、「100数える」まで出ないように親から言われた覚えがありますが、それでは全然十分ではなく、お風呂には「10分入る」ことが必要だったようです。

さて、そんなわけですが、ともかく「カラスの行水」を改めるべく、浴槽に41〜42℃のお湯を張って、体温を測りながら入浴してみました。5分ほど経つと体温は38℃くらいまで上がりますが、ここからはちょっと入浴を続けるのが辛く感じ始めます。顔から汗が出てきて、風邪を引いて熱いときを思い出すような不快感です。

なんとか10分入り続けて風呂から出ると、さすがにさらに10〜20分間保温する気にはなれませんでした。バスタオルで汗を拭いて、座って少し休んでいると、汗が吹き出し続けます。5分くらい経って体温も下がったのか、汗を拭くともう汗は引きました。

保温はしていませんが、身体がしっかりと温まった感覚があり、「カラスの行水」とは全然違います。スチームバスに入ったときに似た気持ちよさがあります。3ヶ月くらいこの10分間入浴を続けていますが、なんとなく体調はいいような気がします。冬になってだいぶ寒くなったので、身体がちゃんと温まるのはきっといいのでしょう。

せっかくなので、スチームバスに入ったときにも体温を測ってみました。すると、設定温度が40℃だと浴室の顔の高さでは39℃までしか上がらないようで、体温が38℃まで上がるまでに10分かかりました。そのため、さらに5分入浴を続けて、だいたい15分ちょっと経ってスチームバスを出て、保温をせずに休憩をとりました。

改めて風呂とスチームバスとを体感的に比較すると、体温が上がってからの入浴時間はスチームバスの方が圧倒的に快適です。おそらくお湯の水圧による圧迫がないためだと思いますが、「和温療法」でサウナが用いられているのにも納得します。また、発汗のタイミングが異なるので、入浴後の爽快感がちがいます。風呂ではお湯から出てから一気に汗が出ますが、スチームバスでは入浴中から滝のように汗が出るので、入浴後に身体を拭くとすぐに汗がひくため、とても爽やかです。

結論としては、入浴後の保温はしていませんが、41〜42℃のお湯に10分間浸かる入浴法を試してみた結果、スチームバスに入ったときのような身体の温まりを体感できました。入浴中も入浴後も心地よさの点ではスチームバスにはおよびませんが、「風呂に10分」は健康のために続けてみようと思います。

2019年11月8日金曜日

プラスチックダンパーで冷気の吹き込みを防止

こんにちは。はかせです。

今週は旭川や札幌でも初雪が降って、いよいよ本格的に寒い冬がやってきそうですね。

部屋の壁にあるアルデの給気口のフィルターを掃除するときなどにグリルをはずすと、裏側に白い花びらのような薄いプラスチック製のひらひらが付いているのに気づくと思います。下の図の中央に給気グリルの模式図があります。


実物はこのような状態で設置されているはずです。本来、標準で取り付けられているものですし、フィルターとはちがって数年で経年劣化するようなものではありませんので、付いていない場合は、紛失している可能性があります。


この花びらはプラスチックダンパーというもので、風が強い日などで給気口に大きな圧力がかかったときに、必要以上に外気が室内に入り込まないように調整する役割をします。下の図の真ん中の図で、外からの空気を示す矢印がグルっとUターンしているのは、強い風でプラスチックダンパーが一時的に閉じて外気を跳ね返している模式図です。


ちなみに、風が強い日には、キッチンのレンジフードや浴室の換気扇などからバタバタという音が聞こえることがあるかもしれませんが、似たような仕組みのバックドラフトダンパーという逆流を防ぐパーツが開いたり閉まったりするときに出している音です。

アルデの給気口には、ガラリの向きに加えて、必要以上に室内に冷気が入り込まないようにする、こうした工夫が施されていますが、冬にはどうしても給気が寒いという場合があります。そのため、給気口に新聞紙などを詰め込んでしまっているお家も見かけますが、このアルデのプラスチックダンパーにはそうした時期に侵入する外気を強制的に絞る調整方法も用意されています。

下の図のように、プラスチックダンパーの4枚の花びらは、1枚ずつそれぞれ固定できるようになっています。給気口に新聞紙などを詰め込む前に、まずは羽根の調整を試してみてください。


2019年11月1日金曜日

フィルター忘れていませんか?

こんにちは。はかせです。

アルデ換気のメンテナンスでお客さんのお家へうかがうと、8割くらいのお家で給気口にフィルターが取り付けられていないか、経年劣化でボロボロになっています。これでは室内に埃などの空気の汚れが直接入ってきてしまいます。


アルデ以外の給気口には必ずしもフィルターが取り付けられていませんが、アルデではフィルターが標準で取り付けられています。アルデのフィルターは厚さ15mmほどの黒いスポンジ状のもので、簡単に取り外しができます。周辺環境にもよりますが、最低でも1年に1回、大掃除のときに水洗いか中性洗剤で洗うことをおすすめします。

暖かい日や涼しい日には窓を開けて気持ちよく空気を入れ替えたいものです。でも、窓を開けると家の中に砂埃が入って床が汚れてしまいます。

給気口は小さな窓の役割をしていますので、空気と一緒に常に外の汚れも入ってきます。その外気から砂埃を取り除く役目を果たすのがフィルターです。そのため、汚れの状態に合わせて、できるだけこまめに清掃することが望まれます。


給気口フィルターはお電話やファックス、メールでご注文いただけますし、本社Web Shopで購入することもできます。

給気口フィルターには2種類の大きさがあります。直径4インチ(約8.5cm)と5インチ(約12cm)のタイプがありますので、定規などで大きさをご確認のうえご注文ください。

ご連絡先:住まいの相談室はしもと
TEL:011-374-3411
FAX:011-375-5422
E-mail:masa22@jcom.zaq.ne.jp

2019年10月25日金曜日

ガラリは上向きで寒さを防ぐ

こんにちは。はかせです。

アルデ換気のメンテナンスでお家へうかがうと、給気グリルのガラリの向きが上向きになっていないことがよくあります。

アルデの給気口は独自の構造になっていて、ガラリの向きによって外から給気口を通って室内に入ってくる空気の流れをコントロールしています。


上の図の右端が給気グリルの室内側にあるガラリです。このガラリは下の図のように、羽根を上向きにすることにより、屋外からの冷気を跳ね上げて足下に直接冷気が下がって来ずに、室内の暖かい空気と交わるようになっています。




例えば、下の写真は賃貸マンションの給気グリルです。羽根の向きが同心円状のガラリなので、冷気が勢いよく下がってきます。


アルデの給気グリルも向きを正しく設置しないと、同じように冷気がまっすぐに足下に降りてきてしまいます。下の写真では、ガラリが下向きで取り付けられてしまっています。


お客さんの話によると、ケーブルテレビを設置した際に、写真に写っているケーブルが取り付けられたそうですが、おそらくそのときに工事を行なった業者が、誤った向きで取り付けたのでしょう。屋外の給気フードにガラリが付いている場合は、雨が内部に入り込まないようにガラリを下向きに取り付けますが、アルデの給気グリルのガラリは上向きに付けなくてはいけません。


クリーニングを行なったときに、ガラリも正しい向きに直しました。細かいことですが、室内の環境を少しでも快適にするためのアルデ換気システムの工夫です。

2019年10月18日金曜日

アルデ換気の本体交換

こんにちは。はかせです。

オスカータイプから現行タイプへの交換もしています。

初期モデルであるたこ足型のオスカータイプでも、小屋裏に設置されている場合が多いです。本来は上から吊るすのですが、横向きにビスで固定して設置されていることもあります。


実は、この「オスカーの横置き」に出会ったのは今年が初めてだったのですが、偶然にも今年3件も「オスカーの横置き」に遭遇して驚きました。

ただし、「オスカーの横置き」のメンテナンスはなかなか大変です。そもそも上から吊るす空間がないために仕方なく横向きに設置しているだけあって、メンテナンスのための空間も確保されていません。それでも、このお家のお客さんはご自分で清掃までされていたそうで、年数の割には本体周りが清潔でした。素晴らしいですね。

ところが、本体の交換となると話は別です。もともとかろうじて人が通れる隙間しかなく、新しく交換する現行タイプを小屋裏へ入れるため、構造に影響が小さい部材を切り取りました。それでも点検口との位置関係が悪く、オスカータイプを取り出すことはできませんでした。

現行タイプはコンパクトになっていますので、小屋裏に入れることさえできれば、既存のダクトと長さを調整してつなぎ直します。


本体が小屋裏などに隠蔽されていると、メンテナンスが難しい場合が多いです。お客さんご自身で本体のクリーニングができないと、モーターや自動換気量調整弁に汚れが溜まりやすくなります。ご自身での清掃が大変な場合は、お家にもよりますが、だいたい5年に1回くらいクリーニングを依頼されるのが良いと思います。

比較的新しいお家には、納戸やクローゼットに設置されていて、必要なときにはクリーニングしやすくなっているお家もあります。リフォームの際には、できることなら一緒に換気本体の配置の変更も検討もおすすめします。換気本体は丈夫な機械ですが、小屋裏は雨が当たらないだけで外と同じです。気温の変化は外より激しく非常に過酷な環境です。メンテナンス性の向上に加えて、換気本体への負荷を減らすことでトラブルの現象にもつながります。

2019年10月11日金曜日

アルデ換気のクリーニング

こんにちは。はかせです。

アルデ換気のクリーニングもしています。

初期モデルのオスカータイプは設置から20年以上経過しているため、クリーニングは行わず、寿命がきた時点で本体の交換をおすすめしています。一方、それより後のモデルでは、モーターや自動換気量調整弁(風船)、給気・排気グリル、本体・グリル接続部付近のダクトの清掃を行なっています。

給気口のフィルターや本体内部のモーターの清掃まで自分でできるように清掃方法がマニュアルに書かれていますが、本体が小屋裏などにある場合、グラスウールや埃まみれになりながら清掃するのは大変です。給気口のフィルターくらいなら、1年に1回でも取り外して水洗いするだけでずいぶん違いますが、実際には、10年以上放置されて経年劣化でボロボロになっているお宅も少なくありません。


本体が小屋裏にあったり、ご自分で給気口や排気グリルの清掃を行われていない場合には、点検のうえクリーニングを実施します。点検の結果、経年劣化でモーターの性能低下が大きくクリーニングだけでは換気量が改善されない場合には、モーターを交換する場合もあります。設置から15年〜20年経過している場合にはモーターの交換もおすすめしています。


10年以上メンテナンスが行われておらず、ダクトやモーターに埃が溜まっていることがありますが、第3種換気のいいところは、汚れは家の中から外への一方通行だということです。掃除をサボったとしても、換気風量は落ちても汚れた空気が家の中へ戻ってくることはありません。フィルターを介して空気が家の中を循環する第1種熱交換換気との決定的なちがいです。


365日、24時間、常に働き続けている換気設備は、時間が経過すれば汚れますし、いつか必ず壊れます。定期的な清掃も必要ですし、寿命が来ると交換しなければいけません。

でも、定期的にクリーニングを行なっていれば、換気の際の抵抗が大きくなるのを抑えることができるので、モーターへの負担が減って寿命も伸びます。できるだけ回転数を抑えて運転してモーターを長く動かし続けるためにも、ぜひ定期的なクリーニングをおすすめします。

2019年10月4日金曜日

アルデ換気のモーター交換

こんにちは。はかせです。

古くなったアルデ換気のモーター交換をしています。


新築時に設置してから15年〜20年もの間、休まず働き続けているので、さすがに寿命を迎えます。屋根裏などからこれまで気にならなかった音がしてきたり、窓に結露が出始めたら、寿命が近づいたサインです。

初期のモデルであるオスカータイプ、別名「タコ足」と呼ばれたモデルのモーターの寿命がきたときは、残念ながらモーターの交換ができないため、本体を現行モデルへ交換することになってしまいます(ただし、排気ダクトはつなぎ換えるだけです)が、それより後の本体が四角いモデルではモーターの交換ができます。清掃とあわせて行うことで、設置時の性能を取り戻します。

国産の家電などの多くは製造終了から6年間は補修用の部品を保管することになっていますが、頻繁にモデルチェンジするため、20年も使用した製品を修理して使い続けることはまずできません。その点、アルデ換気のモーターはドイツ製で、設計の改良は行われていますが、20年以上経った今でも交換が可能です。

調子が悪いと感じたときには、あきらめずにまずはご連絡ください。