2014年3月29日土曜日

アース21のあゆみ

こんにちは。はかせです。

年度末、消費税増税直前でみなさんお忙しいことと思われますが、暖かくなって雪解けも進み、春の訪れを感じますね。

つい先日から書店に1冊の本が並び始めました。室長が20年ほど前に設立した「アース21」という北海道の地域工務店のグループが発行した本です。住まい手の方たちに広くアース21のことを知ってもらおうと7年前から発行を始め、今年で6冊目になります。


アース21は昨年、創立20年を迎えましたので、前会長である室長のインタビューが「アース21のあゆみ」という見出しでまとめられています。グループの理念についても室長が熱く語っていますので、巻頭の「会長からのメッセージ」と合わせて読んでいただくと、アース21について知っていただけるのではないかと思います。

また、住宅専門誌「新建ハウジング」の三浦祐成さん、住宅・生活誌「家と人。」の加藤大志郎さん、山本亜耕建築設計事務所の山本亜耕さん、㈲ウッズ建築設計事務所の山口正さんからの寄稿も載っていますので、ぜひ書店で手に取ってお読みください。セイコーマートにも置いてあるそうです。こちらから直接購入もできるみたいですね。

宣伝だけで終わってしまってはなんですので、2007年、グループ設立15年目の創刊号に室長が書いた「会長からのメッセージ」を最後にご紹介します。ちょっと長いですが。

 アース21は1994年に発足しましたが、当初札幌を中心とした工務店7社と数社の協力業者で構成しました。構成メンバーは複数の地域で活動していない工務店に限定、当然ハウスメーカーは対象外にしました。そしてこのグループは資材メーカーや何等かの形であっても企業の紐付きにはならない事を原則としました。紐付きと言う事になるとグループの主体的な活動が出来なくなるからです。発足当時は本州から進出してきた大手のハウスメーカーや地元メーカーの独壇場となりつつあった時期で、北からも南からも画一的な住宅、企画住宅のオンパレードで、北海道に相応しい住まいとは程遠いものがありました。“住まいづくり”は地域に根ざした自分の土地を知り尽くした工務店だけにしかつくれないと考えています。土地の良し悪しを理解し、住み手の意思をきちんと理解しながら形にしていく事が全てです。家づくりとは、住まいづくりとは何か?それは「住み手の主体性を守る」事です。住む人が自分らしく人として生きようとする意欲を高め、自分たちの望む生活要求をしっかり持てるようにしていく事、そしてその実現が住まいづくりの目的であり、住まいが住む人の生き方の表現となるようにする事ではないかと思うのです。

 そのためには地域の工務店がお互いの足を引っ張り合っていては未来はありません。アース21は設立から14年間、一貫して互いに連携しあい情報を公開して技術と経営の力を研鑽してきました。その結果、建築資材コストも情報交換等の中で購入価格の減額に成功し、建築費用も下げる事が出来ました。また、お互いに建築現場を公開しあって技術の向上を図ってきました。一般的には建築現場を同業者に見せあうなど、あり得ない事ですがアース21ではお互いに積極的に公開して「いかに良質な住宅を提供するか」について徹底的に議論を重ねてきました。初めは7社からのスタートでしたが会員数も順調に増え平成19年10月現在、43社(正会員28社、準会員4社、賛助会員10社、アドバイザー2社)となっています。会員は活動に積極的に参加している事が条件ですので常に組織が活性化されます。住まい手に満足していただける住まいを提供するためにも今後とも着実に発展し続けてまいりたいと思っております。

 北海道という地域に根ざした工務店の結集によりアース21の目指す条件が満たされます。住まい手の気持ちを根っこから引き出し、認識を一致させなければ納得のいく住まいづくりにはなりません。同じ北海道でも南と北では生活の環境も違います。気候や風土が違えば、建てる住まいの形態も違ってくるのは当然です。その地域に合った住まいを造る事ができるのは、その地域を熟知している工務店であり、そこにこそ工務店の存在する意味と価値があると考えます。

 住まいの根っこはその地域にこそあります。そして地域に根ざす街づくりとは、どういう事なのか?それはその地域に合った暮らし方や、その地域にふさわしい生活の様式を創りだす事だと思います。どんな地域にも、その地域にとって大事なものがあり土地固有の自然や歴史があって、固有の暮らし方や生活の活動の場や文化と言ったものがあります。その事を大事にしていくと言う事です。それはこだわりです。アース21の仲間の有り様は、その事をしっかり捉える事。街づくりのプロとして、地域の人達と一緒になって活動していく事を職業としているのです。私達はお互いにシビアな姿勢でからみ合い日々研鑽するネットワーク、それがアース21なのです。