2018年11月30日金曜日

アース21の情報交換

こんにちは。はかせです。

インターネットが普及して情報で溢れるようになりましたが、9月の地震のときにもデマが流れたり、情報の真偽を確かめるのも大変です。ホントに知りたい情報が必ずしもインターネットで見つかるともかぎりません。

アース21では設立時の25年前から一貫して情報交換を大切にしてきました。活動理念の一つでもある情報交換について、設立の2年後、1996年の新聞記事に掲載された内容から振り返ってみます。「帯広をヒントに情報交換 共通の課題解消へ」という見出しが付いた記事の後半を以下に引用します。

 具体的な目標としては①資材の共同購入②アース21仕様の確率③資材センターの設立−などを掲げており、現時点では、定例会や講習会・現場見学会などを定期的に開催し会員各社が議論を交わす中で、道内各地の資材価格や会員の経済状況など具体的な情報を集めている段階という。
 情報収集の方法として面白いものの一つに「原価公開」がある。これは、会員各社が、それぞれ自社の施工見積もりを持ち寄り、各地の資材価格や資材の入り方、人件費、粗利の地域差を探ろうというもので、資材の共同購入などグループの協同事業を展開する上での資料として使っていく予定だ。
 これについて橋本会長(※当時)は「ダントツに資材価格が安いのは、やはり地場工務店が強い地域と言われている帯広。この背景には、資材価格やルートについての地場工務店同士の情報網があり、これが大手との価格競争に打ち勝てる帯広の業者の強さになっているようだ。一方、札幌は業者間格差が大きい。現在、グループの中では、帯広の業者のような情報交換の基盤が出来上がりつつあるが、こうしたグループがいくつも出来れば札幌の状況も変わってくるのではないか」と分析している。
 このほか、定例会の中でも自社の経営上の問題点を報告し合ったり、会員が自社の事業の中で新しい試みに取り組む際はグループ全体でバックアップするといった形の情報交換も行なっている。
「アース21が他の団体とはちがう」と言われるのは、こうした取り組みもきっと理由の一つなのでしょう。それにしても、記事に室長の顔写真が載っていますが、さすがに若いですね(笑)


2018年11月22日木曜日

2年目のアース21

こんにちは。はかせです。

函館でも雪が降り、家の屋根や木々には雪が積もって、北国らしい雪景色になってきました。

今はなくなってしまいましたが、以前、「北国の家」(北国企画出版社)という住宅雑誌がありました。事務所にバックナンバーが残っていますが、アース21設立2年目を迎えた1995年5月号(Vol. 25)に広告が掲載されます。1月17日に阪神・淡路大震災が起こった年です。この地震では住宅にも甚大な被害が生じました。

今年の9月に北海道でも阪神・淡路大震災と同じ震度7の地震が初めて起こりました。震源地付近の厚真町などでは土砂崩れによる被害が大きく、札幌市内など一部では液状化による被害もありましたが、阪神・淡路大震災のような都市部での広範囲に及ぶ家屋倒壊や火災は生じずに済みました。

アース21の歴史を振り返る投稿の2回目は、震災の1995年に掲載したこの広告です。

飛躍をつづけ地域に密着「アース21」

「住まい」は、未来へ贈る財産です。

アース21が住宅業界の流れを変えます。


 住まいは本来地域に密着し、その土地の歴史、気候、風土の中から育つ文化そのものでなければなりません。しかし現実は「商品」としての位置付けの中で、大手ハウスメーカーを軸とした画一的な住まいが蔓延しています。
 また、先進の欧米諸外国に比べ、耐用年数が短い日本の住宅。地球環境保全が叫ばれ、高性能・高耐久の家づくりが主流になりつつある昨今においても、まだまだ使い捨て間隔から抜け切ることができません。わずか10年、15年で壊され、建替えられているのが現状です。
 資源の少ない日本が、限りある木材をたくさん使って地球の環境を破壊しています。そしてできあがった住まいや街は、中央からの一方的な価値観と、使い捨ての風潮の中で住文化とはおよそかけ離れたものになっています。
 アース21はこうした問題点を見据え、「地域に密着した家づくり」という本来の姿にたち戻るために結集した、道内各地の工務店のグループです。地域産業としての家づくりを推進していくことで地場の経済が守られ、文化が育まれてゆくと考えたのです。
 一軒の家を建てるのに何千万円もお金をかけ、ローンを返し終わったときにはすでにその家の寿命は尽きているという今の日本の家づくり。これは地球の環境を破壊するばかりではなく、暮らしそのものを貧しくしています。
 50年、100年もつ耐久性の高い住宅なら、自分の代だけではなく子供や孫に財産として住まいを残すことができます。また、耐久性の高い住宅は住み心地も快適で、年月がたっても古びることがありませんから、逆に価値も高まってゆきます。「住めば住むほど価値の上がる家」こそが、ほどなく訪れる21世紀の住まいなのです。
 アース21にはこの思想のもとに、高耐久性・省エネルギーのための確かな技術力をもつ地場の工務店が集結しています。高性能住宅の技術に加えて、綿密な打ち合わせ、きめ細やかな対応、迅速なアフターメンテナンスが家づくりの重要なポイントになりますが、これらは地場の工務店だからこそ可能です。
 これからの住まいは、単に個人のものではありません。地球の財産として、未来へ贈るものでもあります。これからの住まいづくりをアース21とともに考え、創ってゆきませんか。

地場に密着した住まいづくりのために連帯を続ける、アース21


 アース21には現在、道内各地で活躍中の12社が参加しています。どのメンバーも快適な居住環境、最低50年以上の耐久性を実現する、確かな技術をもつ工務店です。
 研修会や勉強会など日ごろの活動を通し、メンバー間の情報交換をしたり、お互いの技術を理解し、切磋琢磨しあうことで、より確かなハイレベルの技術力をつけています。
 快適な居住環境、高性能、高耐久住宅の基本である「高断熱・高気密・計画換気全室全日暖房」の住まいを、カナダの高気密住宅・R-2000の基準を超える高水準で提供しています。また、このようなハイレベルの住宅を低コストで提供するために、資材の流通形態を見直し、合理化、省力化した家づくりを行うことも使命の一つと考え、各社協力のもと、進めています。
 アース21では、今後とも志を同じくする仲間の工務店を増やし、大手に対抗できる地場産業として地域の工務店が育ってゆくために連帯してゆきます。

2018年11月16日金曜日

アース21の設立25周年

こんにちは。はかせです。

今年、FMノースウェーブが開局25周年ですが、アース21も同じく設立25周年です。25周年を記念して道外例会として九州への研修旅行が行われました。はかせは残念ながら参加できませんでしたが、報告の写真などを見ても大変有意義な研修旅行となったようです。

室長が発起人となってアース21が設立したのが1994年4月20日です。4月23日付の業界紙にも記事が掲載されました。そこで、ちょっと疑問がわきました。今年は2018年です。設立からまだ24年しか経っていないのでは?今年は設立25年目です。一方、FMノースウェーブの開局は1993年なので、今年で丸25年が経って26年目に入っています。もしかして、アース21の25周年はフライングだったのでしょうか?(笑)

気になって調べてみましたが、どうやら設立○○周年というのは、○○年目でも、丸○○年でもどちらでもいいようです。国立国会図書館のレファレンス協同データベースによると、インターネットで調べた結果として、「『満』で数えることが正しいが、『かぞえ』であっても誤りとは言えない」という判断のようです。フライングではありませんでした(笑)

話がそれてしまいましたが、せっかくですので、アース21の25周年を記念して、設立からのアース21の歴史を新聞記事の切り抜きなどを通してこの機会に何回かに分けて振り返ってみようと思います。まず初めに、今回はアース21設立についての新聞記事です。なお、新聞記事はおそらく業界紙のものだと思われますが、記載がないため正確にはどの新聞かは分かりませんでした。

工務店グループ「アース21」が発足

ハウスメーカー主体に対抗

地域重視の住宅供給へ


 地域に根ざした受注活動と住宅供給ー家づくり本来の在り方を第一に事業や供給エリアなどで提携、そのネットワークでハウスメーカーに対抗する狙いを持った工務店グループ「アース21」が二十日、旗揚げした。住宅業界の協力、組織化は工法普及や販売促進を中心に行われてきた。同グループは十社のスタートだが、住宅供給がハウスメーカー主体できた中で注目される。道内を十九エリアに設定、三十社、住宅供給数が年間一千棟規模まで組織拡大を図り、協同組合化も想定している。
 同グループは、きょうさいサロンで設立総会を開き発足した。設立発起人代表でこの提携を呼び掛け、会長に就任した橋本政仁技建エージェンシー社長(※当時)によると「住文化は地域の産業であるはず。道内各地で仕事をする中で、家づくりは地域に根ざしてあるべき」と考え続け、グループ化は十年来の構想だった。
 加入会員は技建エージェンシー(札幌)、さとう住設工業(同)、石川建設(同)、武部建設(三笠)、佐藤工務店(美唄)、北国ハウス(室蘭)、須藤建設(同)、岡本建設(帯広)、ホクセイハウス(同)、吉田建設社(旭川)の六地区、十社。他に設計、住宅関連、設備などの準会員、賛助会員ら。
 ハウスメーカーが一率的な価値観の住宅を供給する状況に対し、①地域に責任を持った住宅供給を進める②消費者とともに住宅建設に取り組むーなどを打ち出した。具体的事業としては①技術開発部を設置し技術向上を図る②共同購入や共同受注、宅地開発を展開するーなどを掲げた。
 地域第一の住宅供給ーを現実のものとする地区割りは十九。今回の加入会員以外の地区として小樽、倶知安、留萌、苫小牧、日高、函館などを設定した。各地区で年間百棟以内を供給する工務店を加入対象に、今後、賛同企業を募っていく。

続いて、同じく4月23日付の別の新聞記事です。

技術向上へ工務店が団結

道内の中小10社

将来は会社設立も


 札幌、旭川、帯広など道内の工務店十社が、競争力の強化を目的として企業グループを発足させた。中小工務店同士が、互いに情報を持ち寄ることで技術力の向上を図るとともに、営業活動や建材などの仕入れを共同化してスケールメリットを生み出そうという狙いだ。将来は技術開発の分野で共同出資による会社の設立も検討している。典型的な地域密着事業種である中小工務店の広範な連携は道内では初めてという。
 発足したグループの名称は「アース21」。当初は技建エージェンシー(札幌市)、吉田建設社(旭川市)、岡本建設(十勝管内幕別町)、北国ハウス(室蘭市)など年間建築実績二十ー五十棟程度の工務店十社の正会員のほか、準会員、賛助会員として設備工事会社など五社が参加。今後、加盟社を募り、数年以内に百社以上の組織への拡大を目指す。グループ全体の年間建築実績も一年以内に年間五百棟と道内大手並みに拡大。三年以内に千棟を目指す考えだ。
同グループは道内を約二十のブロックに分け、特に気温の低い地域、雪の多い地域、温暖な地域などの特性に適した住宅を共同で開発していく。具体的にはグループ内に「技術開発部」を設置、地域ごとに気密性などの自主基準を設けるほか、技術コンペを行うなど加盟会社の技術情報を収集して最適工法を研究したり、技術学校の解説による技術者育成も目指す。
 共同することによる資材メーカーへの交渉力強化や、顧客の紹介など営業面でも協力していく。同グループの発起人で、会長に就任した技建エージェンシーの橋本政仁社長(※同時)は「加盟各社に地域のリーダーになってもらうことで、道内工務店の技術力の底上げを図りたい。将来は技術の中核となる企業の設立に結びつけていく」としている。

数年以内に加盟工務店を30社、年間棟数1,000棟、協同組合化、共同購入や共同受注、宅地開発、共同出資による技術開発のための企業設立、技術学校まで、非常に革新的であり、野心的とも思える壮大な目標を掲げて設立された団体であることが分かりました。

この25年間、四半世紀の間に住宅業界を取りまく環境も変化し、加盟工務店の入れ替わりはありますが、現在、30社を超える工務店が加盟しています。共同購入もいくつか成功を収めており、共同受注の一つの形として「アース21の本」がこれまでに10冊発行されました。環境の変化に合わせて取り組むべき課題も変わりますが、「地域に根ざす」という設立理念は今も脈々と受け継がれています。

「北海道の家」に誇りをもって

こんにちは。はかせです。

9月の地震の被害でいまだに苦労されている被災者の方たちが少しでも早く元の生活に戻れることを願っています。

この地震では、北広島と厚真のお客さんの家でも何軒か被害がありました。そこで、被害の様子を調査に伺いました。北広島では大曲並木3丁目で宅地の滑落・陥没が起きました。お客さんのお宅は同じ並木3丁目に20年ほど前に建てられましたが、幸い、被害が大きかった大曲川からはだいぶ離れていて、地盤に被害はまったくありません。ただ、外壁タイルと基礎に細いひびが入り、内部も壁クロスにひびが入ってしまいました。また、別のお客さんで北広島駅の方に、こちらも約20年前に建てたお宅で、やはり外壁タイルと基礎にひびが入ってしまいました。


また、上厚真のお客さんを訪ねたときは、いつも渡っている町内の橋がまだ通行止めで、別の道を通りました。途中、山道を走っているときは、道路沿いでも地滑りの跡が残っていて、地震による揺れの大きさが想像されます。一方、市街地へ近くにつれて民家が見えてきますが、倒壊しているような家は見当たりません。

このお客さんの家も築約20年になり、2年前には塗り替えと木部の改修工事はしましたが、離れて見てみても目立った被害はありませんでした。よく見ると確かに基礎に細かいひびが入っているのは分かりましたが、それ以上に、数百キロもある給湯ボイラーが地震の揺れで1mくらい移動してしまったことに、凄まじい揺れだったことを思い知らされます。壁クロスにもひびは入っていましたが、最大の震度7でもこの程度の被害で済んだのですから、丈夫な家を建てることが大切だとしみじみと思います。ともかくお客さんたちが無事でよかったです。


被害にあったお客さんたちですが、幸いにも地震保険をかけていた場合には保険金を受け取ることができました。地震保険は全壊で満額が支給されても建て替え費用には足りず、当座の生活費に充てるという趣旨のものらしいですが、今回のお客さんたちのように耐震性に影響がない軽微な被害であれば、補修工事の費用として利用することもできます。保険料はかかりますので、地震保険をかけるかどうかは悩ましいところですが、保険金が出たお客さんとそうでないお客さんとでは気持ちも全然ちがいましたので、金額的な損得だけでは決められないとも思いました。

地震保険では保険会社から被害調査にやって来ますので、その立会いの際に話を聞いてみると、やはり北海道では全体的に見て、地震による住宅の被害は、新潟や熊本など過去の本州における被害に比べて震度の大きさの割にそれほど大きくなかったそうです。北海道の住宅は雪の重さに耐えられるように本州以南よりも丈夫に建てられているので、ニュースで報道されたように全壊するのは珍しいようです。街中の商店など前面がすべて窓や引戸になっている建物は1階が潰れてしまったりしていますが、一般的な北海道の住宅は寒さに対抗するために窓を小さくしているので、地震の揺れに対しても丈夫な建物になっています。

ただし、今回のような地震が冬の積雪期に起きていたとしたら、被害はもっと大きくなっていたかもしれません。札幌の住宅街には四角い家が多く、ほとんどがスノーダクトのある無落雪屋根です。真冬には重く締まった雪が屋根の上にどっさりと溜まっています。冬場のブラックアウトが心配されていましたが、雪とどう向き合うかも北海道の家における重要な課題です。

家というのはその土地その土地に合わせて長い年月をかけて発展してきました。北海道は「開拓」によって初めは本州以南と同じような家が建てられましたが、積雪・寒冷に耐えるために北アメリカやヨーロッパからの技術を取り入れながら独自に改良されてきました。そして、さまざまな環境の変化に合わせて今も研究・開発が続けられています。まだ発展の歴史は浅いですが、こうしたことこそ、大手ハウスメーカーにはない地域に根ざした工務店の良さだと思います。地元の工務店が建てる「北海道の家」にもっと誇りを持っていいんじゃないかと思いました。

2018年10月24日水曜日

「キレイな空気」が求められている

こんにちは。はかせです。

今月、10日、11日にアース21の例会が札幌で開かれ、2日目の講演会の前にアルデ空気清浄システムACS-300の商品PRを本社の開発責任者が行いました。商品PRへ向けて事前にスライドの修正などの打ち合わせをしていましたが、はかせは風邪で寝込んでしまい、商品PRだけはなんとか手伝ったものの、参加予定だった現場見学も講演会も残念ながらキャンセルでした。

せっかくスライドの準備をしたので、その際、空気清浄機の普及率について気づいたことを、ここで改めて整理してみます。

ちなみに、会場のホテルへ室長が宿泊していたので、朝、部屋へ行って合流しました。するとここにもありました、空気清浄機。


Panasonicの空気清浄機でした。今はホテルへ泊まると大抵の客室には空気清浄機が置いています。それだけお客さんも部屋の臭いなどを気にしているのでしょう。

総務省による平成26年全国消費実態調査の結果が公開されています。4年前の調査結果にはなりますが、中身を見るとなかなか興味深いです。

結論から言いますと、たんすやルームエアコン、テレビなどの主要耐久消費財の中で、空気清浄機は、所有数量の増加率も普及率の上昇幅も、高効率給湯器や太陽光発電システムに次いで高い結果になっています。

高効率給湯器や太陽光発電システムは、住宅の省エネ化として国の補助金の対象になっているのに対して、空気清浄機は国の補助はなく、純粋に消費者自身が積極的に買い求めていると考えられます。導入費用こそ全然ちがいますが、省エネと同じかそれ以上にキレイな空気に対して関心が高くなってきていると言っていいでしょう。

調査結果を詳しく見ていくと、まず、「主要耐久消費財の1000世帯当たり所有数量及び所有数量の増減率(二人以上の世帯)」に注目します。



グラフの左から右へと所有数量が多い順に並んでいます。左端にはたんす、ルームエアコン、テレビといった品目があり、どれも2台以上所有していることが分かります。逆に、右端の家庭用エネルギーシステム(HEMSのことでしょうか?)、家庭用コージェネレーションシステムはほとんどゼロで、持っている人はほとんどいないということです。

今度は赤い棒グラフに注目すると、右のほうの2本が飛び抜けています。棒グラフは前回の平成21年から26年までの増減を示していて、増加率1位が高効率給湯器で、2位が太陽光発電システムとなっていて、どちらも3倍以上増えています。そして、空気清浄機が増加率3位で、さすがに省エネ住宅設備ほどの伸びではありませんが、3割以上増えています。

ちなみに、増加率4位も見てみると、サイドボード・リビングボードとなっています。ただし、食器戸棚の減少率も同程度なので、おそらくはライフスタイルの変化にともなって、食器戸棚からサイドボード・リビングボードへと置き換えが進んでいると考えていいかもしれません。

次に、「普及率及び普及率の上昇・低下幅」を見てみます。


所有数量と同じように、左端の冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電気洗濯機、電子レンジの普及率は約98%で、ほぼすべての世帯で所有していることがデータからも分かります。赤い棒グラフが一番長く上に伸びてるのが普及率の上昇幅が一番大きいことを示していて、これが高効率給湯器です。上昇幅2位が空気清浄機で、普及率は42%と、10世帯に4世帯では空気清浄機が家にあることになります。

さらに、調査結果には空気清浄機の年代別の普及率も示されています。


普及率は30歳代で57.3%と最も高く、次いで30歳未満が52.5%、40歳代が46.8%と、若い世代で普及率が高いという結果が出ています。また、普及率の上昇幅も30歳代が16.3ポイントと最も高く、次いで30歳未満が11.6ポイント、40歳代が10.8ポイントと、こちらも若い世代で高くなっています。40歳代よりも若い子育てをしている世代で普及率が高く、さらに普及率が伸びていると考えられます。

実際、最近は赤ちゃんや小さな子供がいるお宅で空気清浄機をよく見かけます。子育て世代は住宅を新築する世代でもあります。「子育てをより良い環境で」と願って。すると、当然、「キレイな空気」も必要。高気密・高断熱で夏涼しく冬暖かい快適な住宅というだけでなく、家の中の空気の質も求められているということですね。

2018年9月19日水曜日

熱交換換気や床下給気には空気清浄システムを!

こんにちは。はかせです。

去年から小山田工務店さんに協力していただいて、モデルハウスに試作機を設置してテストしていたアルデ空気清浄システムですが、今年から新たに販売を開始しています。

ARUDE ACS-300

昨年7月に空気清浄機を作動させてから約2ヶ月後に内部を確認すると、予想以上の汚れにとても驚きました。プレフィルターには泥のように粉塵がびっしりと張り付き、電気集塵フィルターの網目も真っ黒になり、フィルターを洗った水も真っ黒になりました。普段は空気に紛れ込んでいても見えない非常に小さな汚れも、集められるとこうして見えるようになって、外の空気の汚れを実感します。

プレフィルター

電気集塵フィルター

一般的な住宅には、家の外から新鮮な空気を取り入れるために壁などに吸気口が設けられていますが、札幌の市街地に建つ住宅では、その給気口の上の壁が黒く汚れているのをよく見かけます。居間や寝室、子供部屋などの居室に給気口が設けられ、一軒の家には通常、だいたい5、6ヶ所の給気口がありますが、このモデルハウスでは、すべて一つの給気口から外気が取り入れられ、空気清浄システムを通ります。つまり、家に入ってくる空気の汚れを空気清浄システムがすべて一ヶ所で受け止めたことになります。その結果、上の写真のようにプレフィルターや電気集塵フィルターは真っ黒になってしまったわけです。

特に、このモデルハウスが建っている場所は交通量が多い札幌新道沿いで、高速道路の高架もすぐ側なので、トラックなどの排気ガスで空気がとても汚れています。道路沿いには小さな工場や倉庫が多いですが、すぐ裏には住宅地も広がっています。実際、このモデルハウスと同時期に隣でアパートも建設中でした。交通の便がいい都会では、残念ながら、窓を開けても必ずしも空気はきれいではありません。

近年、札幌でも黄砂やPM2.5が問題になることが増えました。中国やロシアの海外から風に乗ってやって来たもので、空が白く霞んでいて息苦しさを感じます。海外の発生源の地域で大気汚染を解消したり森林火災を防いだりしなければ、こうした被害はなくなりません。

また、都会では花粉症の患者数が増えているそうです。札幌でもシラカバ花粉が初夏の3ヶ月間くらい飛んでいるので、はかせも去年からアレルギーを抑える薬を処方してもらうようになりました。花粉症は大気汚染との関連性も指摘されていて、粉塵、黄砂やPM2.5、そして花粉と、これまできれいだと思われていた家の外の空気にも、いまや健康を害する物質が紛れ込むようになってしまいました。

けれども、窓も給気口も閉じて家に閉じこもることはできません。呼吸することで二酸化炭素や水蒸気が出ます。また、住宅建材や家具からはシックハウスの原因となる化学物質も出てきます。ホルムアルデヒドだけは規制されていますが、今はその代替物質が問題となっているので、換気を止めるわけにはいきません。

換気が必要でも、家の外の空気も汚れている。この状況に対処するには、家の外から取り入れる空気からできるだけ汚れを取り除くしかありません。そのために効果的なのが空気清浄システムです。

最近のZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)を含め、省エネを意識した住宅には、第一種熱交換換気装置が採用されているものもあります。もともと熱交換換気は、北海道の寒い冬に冷たい外気を直接家の中に入れずに、温度を上げてから入れるために導入されました。熱交換換気では、家の外の空気を一ヶ所から装置に取り入れて、熱交換素子で家の中の空気と熱交換を行って、暖めてから家の中へと送り出します。

虫や大きな埃をキャッチするプレフィルターは取り付けられていますが、そこで取り除けなかった汚れは熱交換素子を通るので、熱交換素子が汚れてしまいます。プレフィルターや熱交換素子が汚れると抵抗が大きくなってモーターへの負荷が大きくなったり換気量が減ったり、熱交換効率が下がったりします。そのため、プレフィルターと熱交換素子の定期的な清掃が必要ですが、困ったことに住まい手に対してこうした説明を行わない業者もいるようです。

また、家の外の空気を一ヶ所から床下に取り入れて、エアコンなどで床下暖房を行う住宅も増えているようです。例えば、秋田県能代市の設計士、西方さんの自邸では「基礎の立ち上がりがないため床下の掃除がしやすくて良い」というようなことを先日の講演会で西方さんが話されていました。ただ、ブログでも写真が紹介されていますが、掃除がしやすいとはにわかには信じられません(笑)

これらの第一種熱交換換気や床下給気などのように、一ヶ所から外気を取り入れている住宅には、アルデ空気清浄システムが最適です。集塵効率は95%ですので、換気装置や床下の汚れを最小限に抑えることができます。清浄システムのプレフィルター、高圧帯電ユニット、集塵フィルターはいずれも水洗いが可能なので、専門業者に頼らずに清掃ができます。さらに、消費電力はたった4 Wしかなく、電気代は1ヶ月80円程度で済みます。大きさも幅448 mm(ダクト接続部を含むと680 mm) × 奥行き409 mm × 高さ217 mmとコンパクトで、重さも6.8 kgと軽量です。既存の換気システムにも組み込みやすいサイズに抑えてあります。

こんなふうに良いことばかり言っていると胡散臭いですが、やはり空気清浄システムでも100%汚れを取り除けるわけではありません。空気清浄システムもフィルターを清掃しなければ性能を発揮できません。きれいな空気を得るには、家の中を掃除するのと同じように、住まい手自ら清掃を行う意識が必要です。

きれいな空気を室内に取り入れて健康を守ったり、高価な熱交換換気装置を長持ちさせたりするために、ぜひアルデ空気清浄システムを活用してください。

※アルデ換気システム(第三種換気)の給気口にはフィルターが装着されており、付属のフィルターで取り除けない花粉や粉塵を取り除くファインフィルターも別途、用意されています。ただし、電気集塵フィルターよりも早く集塵効率が低下します。フィルターの洗浄と、ファインフィルターの場合は交換を定期的に行ってください。

2018年9月13日木曜日

北海道胆振東部地震で被災された皆様に心より御見舞い申し上げます。

北海道で震度7は、私の人生で初めてのことでした。北広島市の震度は5弱で、多少の落下物はありましたが、一番困ったのは、停電です。それでも6日夜の19時には復活。これ以上続くと冷蔵庫の食品が駄目になる恐れがあること、又、道路の信号が停止。ライフラインの全てがストップで、仕事をする環境ではなかったことです。

ただ、厚真の方に建てた物件は被害に遭わず安心しましたが、やはり、基礎から基準以上の造り方で施工したのが良かったと思っています。近頃、長期優良住宅の耐震等級2、3で建築している物件もちらほら。日本列島全て災害列島ですから、立地条件から精査し、いざという時に倒壊しない家造りが大事なことと痛感しています。

私の大疑問の一つは、何故、ブラックアウトになって、全道の電気が停止したのかということです。考えるに、北海道電力が、苫東厚真火力発電所で道内の全電力の40%強の発電を賄っていたことに原因があると思うのです。何故そんな危ないことをしていたのか?こんな公共性が高く、インフラがガタガタになるようなことを、どうしてやっていたのか?

答えは一つ。泊原発の再稼働にこだわり、苫東厚真火力発電所に頼る体制を維持していたことです。北電と政府に今回の電力停止の責任があるでしょう。

又、読売新聞等、数社は、だから泊原発を稼働していれば停電等生じなかったと書いていたそうですが、全く不見識というか、言いようのないバカ新聞です。地震の時、泊原発は外部電源を一時喪失。午後1時に完全復旧するまで、非常用ディーゼル発電機を起動し、使用済み燃料プールの冷却を続ける事態になっていたそうです。再度、震度7のような地震がきて、非常用電源が停止したら福島と同じようにメルトダウンして、大災害になったことでしょう。想像するにも恐ろしいことです。

今日で地震から丁度7日目、インフラは正常に戻り、スーパーやコンビニも正常の業務に戻りつつあるそうです。私達、家造りで業を営んでいる人達全員にお願いしたいことは、営利主義を第一目的としないで、街づくり、生活の場とした家造りが一番大事なことと考えて欲しいのです。

今回の経験したことのない地震災害に対しての一言でした。

2018年8月31日金曜日

新しいGoogleサイトの公開設定

こんにちは。はかせです。

ホームページのGoogleサイトを新しいものへ移行完了したと思っていたのですが、改めて確認してみると、ホームページを見ようとしてもログインを要求されたり、端末によってはError 404を返されたりして、見れなくなってしまっていたのです。このときはさすがに焦りました。


調べてみると、案の定、アクセス権限の設定がまちがっているようでした。そこで、Googleサイトのメニューに「他のユーザーと共有」に関する設定があるので確認してみます。


2段目の「公開」設定が「特定のユーザーだけが閲覧できます」になっているので、変更します。


「誰でも公開バージョンを検索、閲覧可能」に変更して保存。そのうえでサイトを改めて公開すると、無事に以前のようにホームページを見れるようになりました。


これでホッとしましたが、変換前の古いサイトも30日間は保存されているはずなのに、どこにも見つけられず復旧もできないので、一時はかなり焦りました。ホームページを見ようとしたのに表示されなかったら、会社が潰れたのだろうかと心配になりますよね(笑)

2018年8月30日木曜日

ホームページのデザイン変更

こんにちは。はかせです。

ブログなどの更新を長い間怠っているうちにホームページに利用しているGoogleサイトが新しくなっていたので、この機会に「新しいGoogleサイト」に変更してみました。

古いサイトを残したまま作業できるので、途中で止めることもできて気楽です。Googleサイトが一発で変換してくれるのでプレビューしてみると、どうやら新しいGoogleサイトでは表組みが使えなくなったようで、古いGoogleサイトでレイアウトに表組みを利用していたページは、レイアウトが悲惨なことになっていました。また、リストもそのままでは使えなくなって、スプレッドシートに置き換わってしまって扱いが悪いので、これらの修正と写真や文字の調整を行いました。

いくつか用意されたテーマの中から適当に選んで、外観は前よりも見やすく無難なデザインのホームページになった気がします。HTMLのソースを直接修正できなくなりカスタマイズ性が低くなった反面、古いGoogleサイトよりもシンプルで洗練されており、ブログ感覚でホームページが簡単に作れるようになった印象です。


また、以前よりもレスポンシブ(スマホ対応)が図られていて、iPhoneでもメニュー操作がしやすくなっています。


前回、ホームページをGoogleサイトで作り直した頃にはまだiPhoneを使ってもいなかったことを考えても、この7、8年の間に世の中がずいぶん様変わりしたものだと感慨深いです。