こんにちは。はかせです。
札幌は昨日から降り続く雪ですっかり冬景色ですので、温かいお風呂の話をしましょう。
昨年、2018年の秋、叔父がステージⅣの肺がんとの診断を受け、現在も薬物療法を継続しています。2018年といえば、本庶佑さんが「オプジーボ」でノーベル医学賞を受賞して、がんの免疫療法に注目が集まった年でした。
今年は免疫療法の環境も整備が進み始めましたが、叔父の場合は主治医との相談の末、まだ実績が浅い免疫療法を試すよりも、従来の薬物療法を選ぶこととなりました。ですが、このことは、免疫について考えるきっかけになりました。
以前からサウナ、スチームバスで身体を温めることは免疫を向上させ、健康にいいと漠然とは思っていましたが、残念ながら自宅の賃貸マンションには狭いユニットバスしかありません。それでも、実は入浴法を見直すだけでも、体感的にずいぶん改善できることに気づきいたので試してみました。
まずはじめに着目したのは、サウナに関連して以前からテレビや雑誌でも紹介されることが多い鄭忠和さんの「和温療法」です。独自に開発した低温乾式サウナ(60℃)に15分入浴し、出てから30分保温するという治療法です。慢性の心不全をはじめ、レディー・ガガが患っていることを表明して話題にもなった線維筋痛症の治療にも成功しているそうです。この治療法を家庭の風呂で行う入浴法が紹介されていました。
その入浴法とは、41℃の風呂に10分間入浴し、出た後10〜20分間保温する、というものです。10分間の入浴は、深部体温を1℃上昇させる(微熱をつくる)ためで、保温して微熱を保つことにより一酸化窒素(NO)とヒートショック蛋白を発現させ、血流を促し免疫力も高めるのだそうです。ヒートショックといっても、冬などに風呂から寒い脱衣室へ出たりして血圧が急上昇して心筋梗塞や脳卒中を引き起こすヒートショックではありません。
入浴法について詳しくはこの本で解説されていますが、ヒートショック蛋白からたどって、伊藤要子さんのそのままズバリ「ヒートショックプロテイン入浴法」にもたどり着きました。こちらは42℃で10分間入浴し、保温はほぼ同じで10〜15分間。体温を38℃以上に上げるのが目安です。どちらの入浴法も、体温の上昇とその保温が大切なようです。
そのためには、入浴が5分以下の「カラスの行水」ではやっぱりダメなのだそうです。でも、はかせは子どもの頃からずっとお風呂は「カラスの行水」でした。たまに温泉などへ行ったときに露天風呂ではのんびり入っていることもありましたが、自宅のお風呂や内湯での長湯は苦手です。風呂に入るのが嫌いだった子どもの頃、「100数える」まで出ないように親から言われた覚えがありますが、それでは全然十分ではなく、お風呂には「10分入る」ことが必要だったようです。
さて、そんなわけですが、ともかく「カラスの行水」を改めるべく、浴槽に41〜42℃のお湯を張って、体温を測りながら入浴してみました。5分ほど経つと体温は38℃くらいまで上がりますが、ここからはちょっと入浴を続けるのが辛く感じ始めます。顔から汗が出てきて、風邪を引いて熱いときを思い出すような不快感です。
なんとか10分入り続けて風呂から出ると、さすがにさらに10〜20分間保温する気にはなれませんでした。バスタオルで汗を拭いて、座って少し休んでいると、汗が吹き出し続けます。5分くらい経って体温も下がったのか、汗を拭くともう汗は引きました。
保温はしていませんが、身体がしっかりと温まった感覚があり、「カラスの行水」とは全然違います。スチームバスに入ったときに似た気持ちよさがあります。3ヶ月くらいこの10分間入浴を続けていますが、なんとなく体調はいいような気がします。冬になってだいぶ寒くなったので、身体がちゃんと温まるのはきっといいのでしょう。
せっかくなので、スチームバスに入ったときにも体温を測ってみました。すると、設定温度が40℃だと浴室の顔の高さでは39℃までしか上がらないようで、体温が38℃まで上がるまでに10分かかりました。そのため、さらに5分入浴を続けて、だいたい15分ちょっと経ってスチームバスを出て、保温をせずに休憩をとりました。
改めて風呂とスチームバスとを体感的に比較すると、体温が上がってからの入浴時間はスチームバスの方が圧倒的に快適です。おそらくお湯の水圧による圧迫がないためだと思いますが、「和温療法」でサウナが用いられているのにも納得します。また、発汗のタイミングが異なるので、入浴後の爽快感がちがいます。風呂ではお湯から出てから一気に汗が出ますが、スチームバスでは入浴中から滝のように汗が出るので、入浴後に身体を拭くとすぐに汗がひくため、とても爽やかです。
結論としては、入浴後の保温はしていませんが、41〜42℃のお湯に10分間浸かる入浴法を試してみた結果、スチームバスに入ったときのような身体の温まりを体感できました。入浴中も入浴後も心地よさの点ではスチームバスにはおよびませんが、「風呂に10分」は健康のために続けてみようと思います。
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