2020年12月7日月曜日

「公衆サウナの国 フィンランド」

こんにちは。はかせです。

サウナへ通うようになったのをきっかけに、フィンランドのサウナ文化へも関心が高まり、タイトルの「公衆サウナ」という言葉にひかれました。

北海道には「公衆浴場」がいたるところにあります。銭湯は以前に比べると減ったとは聞きますが、いわゆるスーパー銭湯は札幌市内に何軒もできていて、地方にも温泉施設があっていつも賑わっています。フィンランドにある「公衆サウナ」も、そんな日本の公衆浴場のようなものなのでしょうか?

これまでにも触れたムック「Saunner」や雑誌「Coyote」の中でも、フィンランドの公衆サウナについて紹介されていましたが、もう少し詳しく知りたいと思って手に取ってみました。

フィンランドの幸せメソッド SISU」でもヘルシンキの公衆サウナが簡単に紹介されていましたが、そのうちの「アルラ」と「ソムパサウナ」、さらに「サウナデー」というイベントについてもより詳しく紹介されています。とはいえ、最近、日本の女性の間にもサウナブームが広がりつつあると聞いていたので、2016年にヘルシンキにオープンしたその名も「Löyly(ロウリュ)」という公衆サウナが一番目を引きました。

公衆サウナ「ロウリュ」は建物自体もフィンランドらしい独創的なデザインで、海辺に建てられているため、なんと、サウナからそのまま海へ入ることもできるのだとか。そして、レストランが併設され、外国人観光客にとって水辺での伝統的なサウナ体験ができる観光スポットとなり、地元住民にとっては手頃なアーバン・リゾートとなることを目指して造られたそうです。

ちょうど1年ほど前、たまたま母がフィンランド旅行でヘルシンキにも行くと聞いたので、ぜひこの「ロウリュ」へ行ってみて欲しいと頼みました。ところが、時間がなくて「ロウリュ」へ行けなかったそうで、残念ながら感想を聞くことはできませんでした。いつか自分で行ってみたいものです。

ドラマ「サ道」の第8話「女性のための最先端サウナでととのう」では、「おしゃれな女性が集まるサウナ」が紹介されていました。「ロウリュ」と同じく美味しい食事も提供してくれる北欧テイストのサウナはとても魅力的に感じます。

サウナでリラックスしたまま、続けて食事もとれる。外へ出れば美味しい食事ができるお店はたくさんあるかもしれませんが、一度ちゃんとした服に着替えて外で食事するのと、サウナ上がりのリラックスした状態のまま食事するのとでは、全然気分がちがうことでしょう。はかせは温泉旅館に泊まったときは、浴衣に着替えてから食事します(笑)

本書では単にフィンランドの公衆サウナを紹介するだけではなく、サウナ文化についても解説してくれています。sauna(サウナ)という言葉はフィンランド語ではあっても、フィンランドがサウナ発祥の地と言い切るべきではなく、ロシアやバルト海沿岸の諸地域にも先史時代から存在していたのだそうです。確かに、「Coyote」で紹介されていたユネスコ無形文化遺産に登録されたスモークサウナは南エストニアでした。

また、「フィンランド・サウナ」と「ジャパン・サウナ」との違いについても詳しく説明されています。やはり、ここでもフィンランド・サウナは蒸気を浴びることだとはっきりと書いてありました。サウナストーブで焼けた石に柄杓で打ち水をして蒸気を作り出す行為のこと、あるいは蒸気そのものを指すのがロウリュという言葉なのだそうです。フィンランドでは蒸気を浴びる入浴法がサウナなのですから、サウナストーンに水をかけることができない、蒸気を作れないジャパン・サウナは、フィンランドではサウナと呼ばれないのかもしれません。

それに、日本のサウナの中でタオルを振り回して「熱波」を起こすのは「ロウリュ」ではなく、ドイツ・サウナ由来の「アウフグース」であって、実はフィンランド・サウナではやらないそうです。例えば、今年初めて行った札幌の花ゆずきには、ロウリュというサービスが行われているそうですが、これは正しくはアウスグースのようです。

さらに、フィンランド・サウナらしいサウナでの習慣として日本でよく紹介される、白樺の若葉を束ねたヴィヒタ(西フィンランドでの呼び方で、東フィンランドではヴァスタと呼ぶそう)というものでバシバシと身体を叩き合うことも、実は現代ではフィンランドよりはロシアやバルト諸国での方が日常的・積極的に行なっている印象なのだそうです。日本のサウナ施設や出版物の情報を鵜呑みにして「サウナ通」ぶる恥をかいてしまうかもしれませんね(笑)

ともあれ、早く新型コロナウイルスの感染が終息して、本場フィンランドのサウナへも行けるようになることを願います。

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