2020年6月16日火曜日

「健康と幸せをもたらす魔法のスチーム」

こんにちは。はかせです。

サウナについて調べていると、どうしてもサウナの本場、フィンランドが気になります。残念ながらフィンランドへはまだ行ったことがなく、行きたいと思ってもそう簡単には行けません。しかも、新型コロナの影響で海外へ行くどころではなくなってしまいました。

でも、昔は庶民も海外旅行へ行くようになった現代とはちがって、みんな本を読んで遠い異国の地へと想いを馳せたものです。幸い、少ないながらもフィンランドの生活をうかがい知ることのできる本に出会いました。


「フィンランドの幸せメソッド SISU」というタイトルの「SISU(シス)」とは、「フィンランド独特のレジリエンス(立ち直る力)」なのだそうです。著者はフィンランドで生まれ、両親とともにカナダへ移って子供時代を過ごして成人し、マスコミ業界で働き暮らす中で心身を病んだことをきっかけに、彼女の故郷であるフィンランドへ戻ります。そして、「シス」に出会い、健康な心身を取り戻したそうです。

彼女が健康法を兼ねて行っているのがアイススイミングで、氷の張ったバルト海へ飛び込むそうなのですが、想像しただけで鳥肌が立ちます。サウナの本場ではサウナで温まってから湖などに飛び込んだりするとは聞いていましたが、まさかアイススイミングとは。でも、やはりアイススイミングの後にはサウナに入るようです。
バケツに入った水をひしゃくですくい、サウナストーブの熱い石の上にかけます。私はまずは座って、静かな瞑想状態の中で熱いスチームを浴び、しばし、幸せな気持ちにひたります。
そうなんです。やっぱりフィンランドではサウナストーンに水をかけて生じる蒸気を浴びるのがサウナなんですね。この本でも「サウナの極意 健康と幸せをもたらす魔法のスチーム」と題して1章が割かれています。

サウナストーブの石の上に水をかけて熱いスチームを発生させる「ロウリュ」が、今でこそ日本でも知られるようになりましたが、日本ではまだロウリュのできるフィンランドサウナは普及していません。公衆浴場や温泉に設置されているのはドライサウナばかりです。「サウナ=スチーム」というのがとてもフィンランドらしく感じます。

けれど、フィンランド生まれの著者も、なんと子どもの頃はサウナが苦手だったと知って親近感が湧きます。サウナの蒸し暑さよりも人前で裸になることが嫌だったようですが、フィンランドにもサウナが苦手な人はやっぱりいるようです。日本にもお風呂が嫌いな人がいるのと同じかもしれませんね。そんな彼女もフィンランドに帰って何年も暮らすうちに、サウナで裸になることが気にならなくなります。むしろ、心地よく感じるように。

フィンランドでは、家を建てる前にサウナを建てることが珍しくないほど、サウナが大切なものだと考えられているそうです。さすがに家を建てる前にお風呂を作る日本人はいないでしょうから、フィンランド人にとってサウナがどれほど大切なものかが分かります。

著者がサウナの良さについて紹介しているのは、主に2点。「健康上のメリット」と「サウナの精神」です。サウナが健康にいいということは日本でも以前から指摘されていますが、サウナの精神については、最近、日本でサウナブームが起きてから紹介されるようになったように感じます。

サウナの中では誰もが平等。パブリックサウナでは全員裸で、お互いの名前や職業を知らないままおしゃべりを楽しんでいるそうです。フィンランドではサウナは社交の場。はかせがサウナに入るようになってから北海道のいくつかのサウナに行ってみましたが、サウナはおしゃべりを楽しむような場所ではありませんでした。

そもそも日本のサウナ室はとても暑いです。室温90℃以上は当たり前。入っていると耳が痛くなります。かといって低い段に座ると身体が温まるのに時間がかかります。その点、温度が60℃くらいでも、ロウリュによって湿度が高めのフィンランドサウナは、おしゃべりを楽しむにも向いているのかもしれません。残念ながら、はかせはまだフィンランドサウナをちゃんと体験したことがありませんが。

また、サウナの中でおしゃべりしている人はあまり見かけませんし、友人とサウナの中で話していると嫌がられたこともありました。日本のサウナは、どちらかというと各々が自分の世界に浸って静かに過ごす場所なのかもしれません。

ただ、パブリックサウナでの交流を楽しむフィンランド人でも、理想的なサウナとして思い浮かべるのは、静かな湖畔のコテージを連想するそうです。夏の長いバケーションに田舎へ行って、そんなコテージにあるサウナで温まり、湖へ飛び込む。なんとも羨ましく思えます。きっとCoyoteの表紙のようなサウナなのでしょうね。

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