2020年12月23日水曜日

ロシア式蒸し風呂 バーニャ

こんにちは。はかせです。

今年は老若男女が「鬼滅の刃」に夢中だったようですが、地元好きのはかせはむしろアニメ「ゴールデンカムイ」で盛り上がりました。

原作の漫画は、日露戦争後の北海道を舞台に、アイヌが主人公とした壮大なストーリーが展開され、この産経新聞の記事のように、2019年には大英博物館の入口も飾りました。

秋から放送が始まったアニメ3期では舞台がロシアに移ります。そこで登場したのが、ロシア式蒸し風呂 バーニャでした。


バーニャと聞くとイタリア料理のバーニャ・カウダを思い浮かべますが、バーニャにはサウナストーンが乗ったストーブがあり、まるでフィンランドサウナのよう。はかせはフィンランドサウナに入ったことはありませんが(笑)


バーニャもフィンランドサウナのようにサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させるようです。


さらには、白樺の葉を束ねたヴェーニクで身体を叩いて血行を促進し、室内の空気をかき回すことで体感温度を上げるそうです。ヴェーニクとはフィンランドのヴィヒタと同じものでしょう。

ウィキペディアによると、バーニャはフィンランドサウナよりも温度が低いそうなので、登場人物たちがとても暑がっているのは演出かもしれません。

また、以前触れた「公衆サウナの国フィンランド」で書かれていましたが、実は、ヴィヒタ(ヴェーニク)でバシバシとお互いの肌を叩き合うのは、現代ではフィンランドよりもロシアやバルト諸国の方が、より日常的・積極的に行われている印象なのだそうです。

北海道・札幌では営業自粛や外出自粛が功を奏して新型コロナの感染拡大が収まって来てはいますが、医療の逼迫は依然、深刻なままのようですので、まだまだ気が抜けません。フィンランドサウナを体験しに行くのはもう少し我慢です。

2020年12月13日日曜日

フィンランドサウナよりスチームサウナの方がいい!?

こんにちは。はかせです。

ちょうど1年ほど前に母と一緒にフィンランドへ行ったAさんが、先日、札幌の病院で診察を受けるために母の家に泊まっていました。

フィンランドのホテルではAさんと母は一緒にサウナに入ったそうです。サウナはもちろんフィンランドサウナで、ロウリュも楽しんできたそうです。

ところが、意外なことに、母は自宅のスチームサウナの方がよかったそうです。せっかくサウナの本場フィンランドまで行ったのに、サウナでロウリュをすると暑すぎて辛かったと話していました。

確かに、温度が70〜100℃の日本で一般的なドライサウナと比べて、フィンランドサウナは80〜90℃と温度が低いとはいえ、ロウリュをして湿度を上げるとかなり暑く感じるのでしょう。

それに対して、母の自宅のスチームサウナの設定温度は最高でも55℃です。けれど、湿度がほぼ100%なので、45〜45℃がもっとも快適な温度だといわれます。実際、母はいつもだいたい40℃くらいが暑すぎず気持ちよく入れる温度なのだそうです。ちなみに、はかせは42℃くらいがちょうどいいです。


今回、Aさんにまたスチームサウナへ入ってもらったので感想を聞いてみました。以前泊まったときにも入って、スチームサウナを気に入ったという話は聞いていましたが、もともと暑いサウナが好きだとも聞いていたので、感想を直接聞いてみたいと思っていました。

すると、なんと驚いたことに、フィンランドサウナよりもスチームサウナの方が身体が温まって気持ちがいいそうです。

この反応には正直、ホントに驚きました。てっきり、「やっぱり暑いサウナの方がいい」と言われるものだとばかり思っていましたので。

実は、Aさんはもともとゆっくりと入浴して温まる方ではないそうです。ドライサウナはウェットサウナ(フィンランドサウナのような湿度が低くないサウナ)よりも身体が温まるのが遅いことがわかっています(※)。スチームサウナはフィンランドサウナよりも湿度が高いので、温度が低くても身体が温まるのが速いのでしょう。

それに、今回は浴室の冷気も解消しているので、浴室にしっかりと蒸気がまわり、温度のムラも小さくなっています。身体全体が蒸気に包まれて温まるのを実感したそうです。

そんなわけで、スチームサウナを前以上に気に入ったAさん。自宅ユニットバスへの設置を検討していて、設置が可能かどうか今度現地調査へ行くことになりました。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いてからにはなりますが。

(※)「医者が教えるサウナの教科書」加藤容崇(ダイヤモンド社), 「【サウナの科学】ドライサウナは体が温まりにくいって本当?

2020年12月8日火曜日

浴室の冷気を解消してととのう

こんにちは。はかせです。

11月に入って寒くなってきた頃、スチームサウナに入っていると、天井から冷気が降りてきているように感じました。天井の換気口に手を近づけると、確かに冷たい空気が入り込んできているようです。この日は北風が強く、外壁から換気ダクトを通って冷気が流れ込んでいるようでした。

サーモグラフィで換気口を撮影

実際、浴室の温度も夏ほど勢いよく設定温度まで上がりません。

これまでも冬に母のマンションでスチームサウナに入ると、床や浴槽の冷たさが気になっていました。浴槽にはフタをしていますが、浴槽に冷気が溜まっていて、フタ越しでも冷たさが伝わって不快です。このままでは浴室でスチームサウナに入っているときだけでなく、普段の暖房の効率も悪くなります。


ユニットバスは中古マンションを販売していた不動産屋でリフォームしたときに交換されたものです。パナソニックの風呂換気扇が取り付けられていますが、逆流防止には高価な電気式シャッターではなく、安価な風圧式シャッターが取り付けられているようです。

おそらくこの風圧式シャッターでは冷気の流入を防ぐことができないのでしょう。特に酷かったのは、キッチンのレンジフードを回したときです。浴室天井の換気口からどんどん冷たい風が入ってきました。

そこで、風呂換気扇からの逆流を抑えるために、新築やリフォームのお風呂の工事のときに換気扇に取り付けるアルデのバックドラフトダンパーを取り付けることにしました。

換気扇を取り外して中をのぞくと、白い樹脂製の風圧式シャッターが見えました。


奥にはダクトが続いています。


風圧式シャッターが付いたままではバックドラフトダンパーと干渉するので、風圧式シャッターは取り外しました。風圧式シャッターが取り付けられていたのより少し奥にバックドラフトダンパーを取り付けました。



念のため、換気扇がちゃんと排気するかスイッチを入れて風量を確認してみます。


問題なく排気されているようです。ちなみに、換気扇を取り外す前に、逆流してくる冷気の風量も測っておきました。


風量を比べると、なんと換気扇が排気する風量の20%以上も逆流していました!寒く感じるのも無理はありません。

アルデのバックドラフトダンパーを取り付けたおかげでスチームサウナは驚くほど快適になりました。期待以上です。浴室に入ると不快な冷気ですが、バルコニーで「ととのう」にはいい冷気です(笑)


2020年12月7日月曜日

「公衆サウナの国 フィンランド」

こんにちは。はかせです。

サウナへ通うようになったのをきっかけに、フィンランドのサウナ文化へも関心が高まり、タイトルの「公衆サウナ」という言葉にひかれました。

北海道には「公衆浴場」がいたるところにあります。銭湯は以前に比べると減ったとは聞きますが、いわゆるスーパー銭湯は札幌市内に何軒もできていて、地方にも温泉施設があっていつも賑わっています。フィンランドにある「公衆サウナ」も、そんな日本の公衆浴場のようなものなのでしょうか?

これまでにも触れたムック「Saunner」や雑誌「Coyote」の中でも、フィンランドの公衆サウナについて紹介されていましたが、もう少し詳しく知りたいと思って手に取ってみました。

フィンランドの幸せメソッド SISU」でもヘルシンキの公衆サウナが簡単に紹介されていましたが、そのうちの「アルラ」と「ソムパサウナ」、さらに「サウナデー」というイベントについてもより詳しく紹介されています。とはいえ、最近、日本の女性の間にもサウナブームが広がりつつあると聞いていたので、2016年にヘルシンキにオープンしたその名も「Löyly(ロウリュ)」という公衆サウナが一番目を引きました。

公衆サウナ「ロウリュ」は建物自体もフィンランドらしい独創的なデザインで、海辺に建てられているため、なんと、サウナからそのまま海へ入ることもできるのだとか。そして、レストランが併設され、外国人観光客にとって水辺での伝統的なサウナ体験ができる観光スポットとなり、地元住民にとっては手頃なアーバン・リゾートとなることを目指して造られたそうです。

ちょうど1年ほど前、たまたま母がフィンランド旅行でヘルシンキにも行くと聞いたので、ぜひこの「ロウリュ」へ行ってみて欲しいと頼みました。ところが、時間がなくて「ロウリュ」へ行けなかったそうで、残念ながら感想を聞くことはできませんでした。いつか自分で行ってみたいものです。

ドラマ「サ道」の第8話「女性のための最先端サウナでととのう」では、「おしゃれな女性が集まるサウナ」が紹介されていました。「ロウリュ」と同じく美味しい食事も提供してくれる北欧テイストのサウナはとても魅力的に感じます。

サウナでリラックスしたまま、続けて食事もとれる。外へ出れば美味しい食事ができるお店はたくさんあるかもしれませんが、一度ちゃんとした服に着替えて外で食事するのと、サウナ上がりのリラックスした状態のまま食事するのとでは、全然気分がちがうことでしょう。はかせは温泉旅館に泊まったときは、浴衣に着替えてから食事します(笑)

本書では単にフィンランドの公衆サウナを紹介するだけではなく、サウナ文化についても解説してくれています。sauna(サウナ)という言葉はフィンランド語ではあっても、フィンランドがサウナ発祥の地と言い切るべきではなく、ロシアやバルト海沿岸の諸地域にも先史時代から存在していたのだそうです。確かに、「Coyote」で紹介されていたユネスコ無形文化遺産に登録されたスモークサウナは南エストニアでした。

また、「フィンランド・サウナ」と「ジャパン・サウナ」との違いについても詳しく説明されています。やはり、ここでもフィンランド・サウナは蒸気を浴びることだとはっきりと書いてありました。サウナストーブで焼けた石に柄杓で打ち水をして蒸気を作り出す行為のこと、あるいは蒸気そのものを指すのがロウリュという言葉なのだそうです。フィンランドでは蒸気を浴びる入浴法がサウナなのですから、サウナストーンに水をかけることができない、蒸気を作れないジャパン・サウナは、フィンランドではサウナと呼ばれないのかもしれません。

それに、日本のサウナの中でタオルを振り回して「熱波」を起こすのは「ロウリュ」ではなく、ドイツ・サウナ由来の「アウフグース」であって、実はフィンランド・サウナではやらないそうです。例えば、今年初めて行った札幌の花ゆずきには、ロウリュというサービスが行われているそうですが、これは正しくはアウスグースのようです。

さらに、フィンランド・サウナらしいサウナでの習慣として日本でよく紹介される、白樺の若葉を束ねたヴィヒタ(西フィンランドでの呼び方で、東フィンランドではヴァスタと呼ぶそう)というものでバシバシと身体を叩き合うことも、実は現代ではフィンランドよりはロシアやバルト諸国での方が日常的・積極的に行なっている印象なのだそうです。日本のサウナ施設や出版物の情報を鵜呑みにして「サウナ通」ぶる恥をかいてしまうかもしれませんね(笑)

ともあれ、早く新型コロナウイルスの感染が終息して、本場フィンランドのサウナへも行けるようになることを願います。