函館でも雪が降り、家の屋根や木々には雪が積もって、北国らしい雪景色になってきました。
今はなくなってしまいましたが、以前、「北国の家」(北国企画出版社)という住宅雑誌がありました。事務所にバックナンバーが残っていますが、アース21設立2年目を迎えた1995年5月号(Vol. 25)に広告が掲載されます。1月17日に阪神・淡路大震災が起こった年です。この地震では住宅にも甚大な被害が生じました。
今年の9月に北海道でも阪神・淡路大震災と同じ震度7の地震が初めて起こりました。震源地付近の厚真町などでは土砂崩れによる被害が大きく、札幌市内など一部では液状化による被害もありましたが、阪神・淡路大震災のような都市部での広範囲に及ぶ家屋倒壊や火災は生じずに済みました。
アース21の歴史を振り返る投稿の2回目は、震災の1995年に掲載したこの広告です。
飛躍をつづけ地域に密着「アース21」
「住まい」は、未来へ贈る財産です。
アース21が住宅業界の流れを変えます。
住まいは本来地域に密着し、その土地の歴史、気候、風土の中から育つ文化そのものでなければなりません。しかし現実は「商品」としての位置付けの中で、大手ハウスメーカーを軸とした画一的な住まいが蔓延しています。
また、先進の欧米諸外国に比べ、耐用年数が短い日本の住宅。地球環境保全が叫ばれ、高性能・高耐久の家づくりが主流になりつつある昨今においても、まだまだ使い捨て間隔から抜け切ることができません。わずか10年、15年で壊され、建替えられているのが現状です。
資源の少ない日本が、限りある木材をたくさん使って地球の環境を破壊しています。そしてできあがった住まいや街は、中央からの一方的な価値観と、使い捨ての風潮の中で住文化とはおよそかけ離れたものになっています。
アース21はこうした問題点を見据え、「地域に密着した家づくり」という本来の姿にたち戻るために結集した、道内各地の工務店のグループです。地域産業としての家づくりを推進していくことで地場の経済が守られ、文化が育まれてゆくと考えたのです。
一軒の家を建てるのに何千万円もお金をかけ、ローンを返し終わったときにはすでにその家の寿命は尽きているという今の日本の家づくり。これは地球の環境を破壊するばかりではなく、暮らしそのものを貧しくしています。
50年、100年もつ耐久性の高い住宅なら、自分の代だけではなく子供や孫に財産として住まいを残すことができます。また、耐久性の高い住宅は住み心地も快適で、年月がたっても古びることがありませんから、逆に価値も高まってゆきます。「住めば住むほど価値の上がる家」こそが、ほどなく訪れる21世紀の住まいなのです。
アース21にはこの思想のもとに、高耐久性・省エネルギーのための確かな技術力をもつ地場の工務店が集結しています。高性能住宅の技術に加えて、綿密な打ち合わせ、きめ細やかな対応、迅速なアフターメンテナンスが家づくりの重要なポイントになりますが、これらは地場の工務店だからこそ可能です。
これからの住まいは、単に個人のものではありません。地球の財産として、未来へ贈るものでもあります。これからの住まいづくりをアース21とともに考え、創ってゆきませんか。
地場に密着した住まいづくりのために連帯を続ける、アース21
アース21には現在、道内各地で活躍中の12社が参加しています。どのメンバーも快適な居住環境、最低50年以上の耐久性を実現する、確かな技術をもつ工務店です。
研修会や勉強会など日ごろの活動を通し、メンバー間の情報交換をしたり、お互いの技術を理解し、切磋琢磨しあうことで、より確かなハイレベルの技術力をつけています。
快適な居住環境、高性能、高耐久住宅の基本である「高断熱・高気密・計画換気全室全日暖房」の住まいを、カナダの高気密住宅・R-2000の基準を超える高水準で提供しています。また、このようなハイレベルの住宅を低コストで提供するために、資材の流通形態を見直し、合理化、省力化した家づくりを行うことも使命の一つと考え、各社協力のもと、進めています。
アース21では、今後とも志を同じくする仲間の工務店を増やし、大手に対抗できる地場産業として地域の工務店が育ってゆくために連帯してゆきます。
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