今年、FMノースウェーブが開局25周年ですが、アース21も同じく設立25周年です。25周年を記念して道外例会として九州への研修旅行が行われました。はかせは残念ながら参加できませんでしたが、報告の写真などを見ても大変有意義な研修旅行となったようです。
室長が発起人となってアース21が設立したのが1994年4月20日です。4月23日付の業界紙にも記事が掲載されました。そこで、ちょっと疑問がわきました。今年は2018年です。設立からまだ24年しか経っていないのでは?今年は設立25年目です。一方、FMノースウェーブの開局は1993年なので、今年で丸25年が経って26年目に入っています。もしかして、アース21の25周年はフライングだったのでしょうか?(笑)
気になって調べてみましたが、どうやら設立○○周年というのは、○○年目でも、丸○○年でもどちらでもいいようです。国立国会図書館のレファレンス協同データベースによると、インターネットで調べた結果として、「『満』で数えることが正しいが、『かぞえ』であっても誤りとは言えない」という判断のようです。フライングではありませんでした(笑)
話がそれてしまいましたが、せっかくですので、アース21の25周年を記念して、設立からのアース21の歴史を新聞記事の切り抜きなどを通してこの機会に何回かに分けて振り返ってみようと思います。まず初めに、今回はアース21設立についての新聞記事です。なお、新聞記事はおそらく業界紙のものだと思われますが、記載がないため正確にはどの新聞かは分かりませんでした。
工務店グループ「アース21」が発足
ハウスメーカー主体に対抗
地域重視の住宅供給へ
地域に根ざした受注活動と住宅供給ー家づくり本来の在り方を第一に事業や供給エリアなどで提携、そのネットワークでハウスメーカーに対抗する狙いを持った工務店グループ「アース21」が二十日、旗揚げした。住宅業界の協力、組織化は工法普及や販売促進を中心に行われてきた。同グループは十社のスタートだが、住宅供給がハウスメーカー主体できた中で注目される。道内を十九エリアに設定、三十社、住宅供給数が年間一千棟規模まで組織拡大を図り、協同組合化も想定している。
同グループは、きょうさいサロンで設立総会を開き発足した。設立発起人代表でこの提携を呼び掛け、会長に就任した橋本政仁技建エージェンシー社長(※当時)によると「住文化は地域の産業であるはず。道内各地で仕事をする中で、家づくりは地域に根ざしてあるべき」と考え続け、グループ化は十年来の構想だった。
加入会員は技建エージェンシー(札幌)、さとう住設工業(同)、石川建設(同)、武部建設(三笠)、佐藤工務店(美唄)、北国ハウス(室蘭)、須藤建設(同)、岡本建設(帯広)、ホクセイハウス(同)、吉田建設社(旭川)の六地区、十社。他に設計、住宅関連、設備などの準会員、賛助会員ら。
ハウスメーカーが一率的な価値観の住宅を供給する状況に対し、①地域に責任を持った住宅供給を進める②消費者とともに住宅建設に取り組むーなどを打ち出した。具体的事業としては①技術開発部を設置し技術向上を図る②共同購入や共同受注、宅地開発を展開するーなどを掲げた。
地域第一の住宅供給ーを現実のものとする地区割りは十九。今回の加入会員以外の地区として小樽、倶知安、留萌、苫小牧、日高、函館などを設定した。各地区で年間百棟以内を供給する工務店を加入対象に、今後、賛同企業を募っていく。
続いて、同じく4月23日付の別の新聞記事です。
技術向上へ工務店が団結
道内の中小10社
将来は会社設立も
札幌、旭川、帯広など道内の工務店十社が、競争力の強化を目的として企業グループを発足させた。中小工務店同士が、互いに情報を持ち寄ることで技術力の向上を図るとともに、営業活動や建材などの仕入れを共同化してスケールメリットを生み出そうという狙いだ。将来は技術開発の分野で共同出資による会社の設立も検討している。典型的な地域密着事業種である中小工務店の広範な連携は道内では初めてという。
発足したグループの名称は「アース21」。当初は技建エージェンシー(札幌市)、吉田建設社(旭川市)、岡本建設(十勝管内幕別町)、北国ハウス(室蘭市)など年間建築実績二十ー五十棟程度の工務店十社の正会員のほか、準会員、賛助会員として設備工事会社など五社が参加。今後、加盟社を募り、数年以内に百社以上の組織への拡大を目指す。グループ全体の年間建築実績も一年以内に年間五百棟と道内大手並みに拡大。三年以内に千棟を目指す考えだ。
同グループは道内を約二十のブロックに分け、特に気温の低い地域、雪の多い地域、温暖な地域などの特性に適した住宅を共同で開発していく。具体的にはグループ内に「技術開発部」を設置、地域ごとに気密性などの自主基準を設けるほか、技術コンペを行うなど加盟会社の技術情報を収集して最適工法を研究したり、技術学校の解説による技術者育成も目指す。
共同することによる資材メーカーへの交渉力強化や、顧客の紹介など営業面でも協力していく。同グループの発起人で、会長に就任した技建エージェンシーの橋本政仁社長(※同時)は「加盟各社に地域のリーダーになってもらうことで、道内工務店の技術力の底上げを図りたい。将来は技術の中核となる企業の設立に結びつけていく」としている。
数年以内に加盟工務店を30社、年間棟数1,000棟、協同組合化、共同購入や共同受注、宅地開発、共同出資による技術開発のための企業設立、技術学校まで、非常に革新的であり、野心的とも思える壮大な目標を掲げて設立された団体であることが分かりました。
この25年間、四半世紀の間に住宅業界を取りまく環境も変化し、加盟工務店の入れ替わりはありますが、現在、30社を超える工務店が加盟しています。共同購入もいくつか成功を収めており、共同受注の一つの形として「アース21の本」がこれまでに10冊発行されました。環境の変化に合わせて取り組むべき課題も変わりますが、「地域に根ざす」という設立理念は今も脈々と受け継がれています。
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